愛し合っているのに
年に一度しか会えない二人
そのたった一度のチャンスさえも失ってしまったら・・・
星に願いを
「俺なら耐えられねーな・・・」
今日は七夕。
しかし、外は生憎の雨で、星どころか月さえも見えない。
俺は織り姫と彦星に自分との姿を重ね、溜息をついた。
『溜息なんてついてどうしたの?』
隣を歩くが心配そうに顔を覗き込んで尋ねてきた。
「ん〜、織り姫と彦星は可哀想だなって」
『へ?』
「だって、この雨じゃ今年は会えないだろ。年に一回しか会えないのによ・・・」
傘を傾け、雨雲に覆われた空を仰ぐ。
今日くらい晴れていてくれてもいいのに・・・。
午後になって降り出した雨を恨めしく思う。
二人はこの雨に怒っているのか
それとも、涙しているのか
二人はきっとこの日を楽しみにしていたに違いない。
時間の流れがもどかしくて、会いたくても会えない状況に胸を締め付けられる思いだろう。
俺もに会えない日は呼吸が出来なくなるんじゃねーかってくらい胸が苦しくなるし、
デートの日が近付けば、早くその日が来ないかと願うばかりだから。
だから・・・
せめて今日は二人を会わせてあげたかった・・・。
『二人は会ってるよ・・・』
小さな声に弾かれたように隣を見ると、ニコニコと微笑むが居た。
『会ってるよ』
その言葉は確信に満ちていた。
『二人は会ってる・・・。だって、この雨雲の上は晴れてるから。私たちには見えないけど、二人は今幸せだよ』
『そうでしょ』と笑顔で言うに俺は「あぁ・・・」と小さく同意した。
の言う通りだ。
昼でも、雨でも、星は輝いている。
ただ、俺たちには見えないだけで。
二人は今頃肩を寄せ合い、微笑み合っているだろう。
でも、やっぱり・・・
『にしても、健吾って本当にロマンチストだよね』
クスクスと笑う。
そんなの頭をグシャグシャと乱暴に、でも優しく撫でる。
『わっ!ちょっと、髪の毛グシャグシャになっちゃう!!』
俺の手を遮るように頭を押さえ、ムッとした表情を見せる。
そんな姿さえ可愛いと思ってしまう俺。
相当惚れてんだな・・・。
「気にすんなって。どんな格好してても、は可愛いんだから」
『なっ!』
俺には一年に一度しか会えねーなんて耐えられねーから
「赤くなってる。可愛い〜」
『五月蠅い!・・・もう、人のことからかって』
「本気だって」
『ナンパ好きな人の言葉は信じませーん』
「昔の話だろ。今は一筋だって」
雲の上で輝いている星に願う
『知ってるよ。健吾は私にベタ惚れだもんね』
「そうだよ。は?」
『・・・私もだよ』
が顔を真っ赤にして呟く。
ホント可愛いヤツ。
俺はそっとの傘を奪い、自分の傘の中に招いた。
今日は七夕だし、願ってもいいだろ。
こんな日々が続きますように・・・
ま、間に合った・・・。
ということで、七夕小説です。
今回は健吾くんです。
最初は健吾くんのポジションにちゃんがいて、お相手はさつきくんという設定だったのですが、
健吾くんがロマンチストということを思い出して、こうなりました。
如何だったでしょうか(ドキドキ)
皆様の願いを星が叶えてくれることを祈って・・・。
2006/07/07